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坐骨神経痛腰から下のお尻や太もも、すねやつま先に至るまでの下半身に痛みやしびれを感じたり、その痛みや痺れが一時的ではなくいつまでも続いていたり、違和感を感じたという経験をしたことのある方は、実はその症状は「坐骨神経痛」かもしれません。
 
 
坐骨神経痛は特に中高年の方に多く見られる症状ですが、年齢によるものだけではなく、アルコール依存症や糖尿病、ストレスや喫煙が原因で引き起こされることもあるので、どんな人でも発症する可能性はあります。

そこで、そもそも坐骨神経痛とは何なのか、そして原因や症状にはどういったものがあるのか、また、坐骨神経痛の治療についてといったことをご紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

坐骨神経痛とは?

「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」とは、人間の身体の中で最も長くて太い末梢神経である「坐骨神経」が、さまざまな原因によって刺激や圧迫されることで現れる、痛みやしびれ、強い張りを感じるなどといった症状のことを言います。
 
 
坐骨神経は、腰の周辺から足のつま先まで伸びている神経であり、坐骨神経からさらに派生する神経を含めると、身体の広範囲を占めていることになるため、坐骨神経痛の症状は一部の部位のみではなく、広範囲に渡って痛みや痺れといった症状が現れることが多いです。
 
 
坐骨神経痛の症状は、多くの場合腰痛がきっかけで発症しますが、その次にお尻や太ももの裏側やスネ、つま先などに電気が走ったような鋭い痛みやピリピリとした痺れが現れたり、ひどい時には痛みや麻痺によって歩行障害を伴ってしまうこともあります。
 
 
また、坐骨神経痛ははっきりと原因特定できている場合には「症状」の1つとして扱われることが多く、たとえば「腰椎椎間板ヘルニア」という疾患が原因である場合は、「腰椎椎間板ヘルニア」が病名であり、「坐骨神経痛」が症状ということになります。
 
 
しかし検査を受診しても原因を特定できないという場合には、坐骨神経痛が「病名」となります。

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坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛の原因となる疾患には、どういったものがあるのかをご紹介します。

腰椎椎間板ヘルニア

背骨は椎体(ついたい)という骨で構成されていますが、この椎体と椎体の間には「椎間板」と呼ばれるクッションの働きを持つ軟骨が挟まっています。
 
この椎間板が何らかの理由で飛び出してしまったり、はみ出てしまった状態を「椎間板ヘルニア」と言い、腰の椎間板でこの椎間板ヘルニアが起こると、神経を圧迫して坐骨神経痛を引き起こしてしまいます。
 
腰椎椎間板ヘルニアは、特に前かがみや中腰といった中途半端な姿勢を長時間同じ状態で続けたり、重い荷物などをいきなり持ち上げた時などに発症する恐れがあります。

変形性腰椎症

腰椎という骨の形が変形することで、神経を圧迫して足のしびれや腰痛を引き起こすのが「変形性腰椎症」です。
 
この変形性腰椎症の原因となるのは、加齢、前かがみや中腰といった中途半端な同じ姿勢を長い間続けたり、運動などで過度な負担を腰にかけてしまうといったことが挙げられます。
 
変形性腰椎症は、脊柱管狭窄症の原因にもなるとされているので、気をつけるようにして下さい。

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

背骨は身体を支える役割と同時に、脳から背骨に沿ってのびている神経(脊髄)を守るという役割を持っています。
 
この脊髄や馬尾神経が通っている背骨の隙間の名称を「脊柱管(せきちゅうかん)」と言い、この脊柱管が狭くなった状態のことを脊柱管狭窄症と呼び、腰の部分で発症すると「腰部脊柱管狭窄症」となるのです。
 
腰部脊柱管狭窄症を発症すると、馬尾神経などを圧迫して足のしびれや腰の痛みといった症状を引き起こし、こういった症状は50代以上の中高年に多く見られると言われています。

梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)

梨状筋とは、お尻を横切るようにお尻の奥についている筋肉のことで、この梨状筋の中を通っている坐骨神経が、運動や外傷などによって圧迫されることで、痛みやしびれなどの症状が現れる状態のことを「梨状筋症候群」と言います。
 
以上の「腰椎椎間板ヘルニア」「変形性腰椎症」「腰部脊柱管狭窄症」「梨状筋症候群」といった疾患だけでなく、坐骨神経痛の原因となるものにはさまざまなものがあります。
 
腰椎分離症やすべり症、骨髄腫瘍や骨盤内腫瘍、喫煙やストレス、アルコール依存症といったものなども発症のきっかけとなることがあるので、基本的に誰もが発症する恐れのある疾患であると言えます。

坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛は、主に50代以上の中高年に見られるケースが多く、鋭い痛みやしびれがお尻や太もも、ふくらはぎやすね、つま先にかけて現れたり、ふくらはぎが張っていたり、締め付け感を感じたり、冷感や灼熱感といったものを感じるといった症状が現れることが多いです。
 
このような症状は、たとえば太ももだけとかふくらはぎだけといった足の一部だけに強く感じるという場合もある一方で、腰やお尻からつま先までの全体に症状を強く感じるという場合もあります。
 
以下にさらに具体的な坐骨神経痛の症状をいくつかご紹介しますので、ご自身にこのような症状が見られる場合は坐骨神経痛の可能性があると考えるようにしてみて下さい。

  • 腰やお尻、太ももやふくらはぎ、すね、足の先などの下肢に、しびれや痛みがある
  • 腰やお尻、下肢などを触ったときの感覚がおかしい
  • お尻の筋肉が冷えて固まっているという感覚がある
  • 腰痛があり、痛みだけでなくしびれや違和感がある
  • 腰痛を感じながらも、腰の痛みとは違う離れた部位にもしびれや違和感がある
  • 太ももの裏側やふくらはぎ、かかとなどにぴりぴりとしたしびれや痛みが、一時的ではなく継続して感じられる
  • 痛みやしびれ以外にも、だるさや冷感、チリチリと焼けるような痛みである灼熱感を感じる
  • 正座をしていた後のビリビリとしびれるような感覚を、足の裏で感じる
  • 足の裏の皮膚が厚みを増したような感覚が常にある
  • 足に力が入りにくくなる
  • 痛みを少しでも楽にするために、歩き方が以前よりもおかしくなっている
  • 足を動かしたり、ひねる動作や、前かがみや後ろ反りをすると、痛みやしびれが強くなったり、ひどい時には歩くことや身体を動かすということも困難に感じることがある
  • 左右の足の筋肉に差がある
  • しびれや痛み、違和感や麻痺によって、しゃがんだり座るという動作をつらく感じたり、排便や排尿に支障が出てしまっている

上記のような症状を感じた場合は、できるだけ早めに整形外科を受診するようにして下さい。
 
また、痛みやしびれが特にひどい方や、強い痛みやしびれを両足に感じているという方は、一刻も早く医師の診断を受けることを強くお勧めします。
 
病院では、レントゲンやCT、MRI撮影や触診などの他にも、「SLRテスト」や「ラセーグテスト」と呼ばれるもので症状をチェックしますが、これらは医師が行うものなので、くれぐれも自己判断で行うなどということはしないようにして下さい。

坐骨神経痛の治療について

原因や疾患に関わらず、坐骨神経痛の治療ではいきなり手術に及ぶということはなく、まず症状を和らげることを目指します。
 
 
手術以外の治療法を十分に施しても、痛みなどが軽減しないという場合や、直腸や膀胱などに障害が生じたという場合には、手術をする可能性について検討されることになります。
 
 
坐骨神経痛の治療法について、いくつかご紹介します。

薬物療法

坐骨神経痛の治療として多くの場合に用いられるのが、痛み止め効果のある「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)」という薬になります。
 
「電撃痛」と呼ばれる発作的に生じる鋭い痛みやしびれなど、神経に関する痛みに対しては「神経障害性疼痛(とうつう)治療薬」が用いられることが多いのです。
 
血液を改善して症状を和らげる効果のある「血管拡張薬」や、緊張している筋肉を和らげることで症状を軽減する「筋緊張弛緩剤」なども薬物療法で用いられることがあります。

神経ブロック療法

痛みが神経に伝わるのをブロックするために、局部麻酔薬を用いる治療法を「神経ブロック療法」と呼んでいます。
 
この神経ブロック療法は、主に整形外科やペインクリニック、麻酔科などで実施されている治療法となります。

理学療法(リハビリテーション)

マッサージや運動によって、身体機能や代謝機能などを改善する目的で実施される治療法になります。

認知行動療法、リエゾン療法

「認知行動療法」とは、痛みに関する間違った認識を修正するための「認知療法」と、痛みと行動の関係を知ることで、日々の生活の中でできることを増やしていく「行動療法」の2つが組み合わさった治療法を言います。
 
「リエゾン療法」は、心と身体の両サイドから治療を行うために、複数の診療科の医師が連携して行う治療法を言い、リエゾンとはフランス語で「連携」を意味しています。

脊髄(脳)刺激療法

「脊髄刺激療法」は、電極を脊髄付近に埋め込んで、電気信号によって脳を刺激することで痛みを取り除く治療法になります。
 
この治療法は、薬物療法などを行っても効果が見られないという場合に実施される治療法であり、特に脊柱管狭窄による坐骨神経痛に用いられることが多いです。

外科的療法

「外科的療法」とは、いわゆる手術による治療法のことを指し、坐骨神経痛の治療ではさまざまな治療法を施しても効果があまり見られない場合に、最終段階として用いられる治療法となります。
 
また、直腸や膀胱に障害が見られる場合にも外科的療法が検討されることが多いです。

坐骨神経痛を自分で治すストレッチ

自宅などで手軽に行うことのできる、坐骨神経痛を自分で治すストレッチになります。
 
 
足で「4の字」を作ることで梨状筋をしっかりと伸ばすことができるのです!

  • 仰向けに寝そべり、片方の足をもう片方の膝に引っ掛けるようにして4の字を作ります
  • 立てた膝を、お腹につけるようにゆっくりと引き寄せて下さい
  • ※この時、息を吐きながらお尻の筋肉を意識して行うのがポイントです。

    ※引き寄せる時に、浮かないように頭はしっかりと床などについたままで行うようにして下さい。

  • 片足につき、5回ほど行うのを目安として下さい

息を吐きながら行うと筋肉が伸びるので、ストレッチ効果が高まります。
 
 
また、4の字の形が崩れてしまうと、効果が半減してしまいますので、4の字をキープすることを心がけるようにして下さい。
 
 
この方法ではやりにくいと感じたら、タオルを使ってみて下さい。

  • タオルを用意し、縦方向に畳んで細い棒のような形にします
  • 片足につき、5回ほど行うのを目安として下さい

このストレッチを朝と夜の1日2回行うことで、症状の緩和が期待できますので、ぜひ継続して行うようにすることをお勧めします。

坐骨神経痛に効く!お尻が痛い時のマッサージ法

身近にあるものを使って自分でできる、お尻が痛い時のマッサージ法になります。
 
 
痛みのある部分にピンポイントでマッサージすることで、坐骨神経痛対策ができるのです!

  • 硬式のテニスボールを用意します
  • お尻の痛い部分にピンポイントにテニスボールを当て、そのまま仰向けに寝そべります
  • ※直接ボールを当てると痛い場合は、タオルを間に入れて行うようにして下さい。

  • ボールを当てている足とは反対の膝を立て、ボール側に身体を傾けます
  • このままの体勢で、10秒~20秒キープして下さい
  • このマッサージを、身体の各部分の痛い場所にそれぞれ行うようにして下さい

硬式のテニスボールがない場合、大きさや硬さが似ている軟式野球のボールなどであれば代用できます。
 
 
ボールが硬すぎると痛みを伴いますし、柔らかすぎると効果が薄れてしまうので、硬式のテニスボールに近い硬さと大きさのものを選ぶようにして下さい。
 
 
ボールが当たっているところの筋肉が、10秒~20秒経つことで「ふわ~っ」と緩んでくるのがわかるので、この緩みを感じたら効果が出ている証拠になります!

まとめ

坐骨神経痛の原因や症状、治療についてや、坐骨神経痛を自分で治すストレッチ方法やマッサージ方法などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
 
 
坐骨神経痛は、日々の生活習慣を見直すことで改善や予防に繋がるので、身体を冷やさないことや肥満に注意すること、正しい姿勢をキープするなどといったことを心がけるようにしてみて下さい。
 
 
また、坐骨神経痛の症状が見られる場合は、その原因や疾患によって改善方法などが変わってきますので、自己判断せずに整形外科を受診して検査をすることをお勧めします。
 

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