毎年、流行するインフルエンザですが、健康な人でもインフルエンザに感染すると発熱やのどの痛みなどでしんどい思いをしますし、高齢者の方やお子さんが発症しますと重症化する可能性のある注意するべき病気です。
インフルエンザの流行る季節は、感染しないようにする予防も大事ですが、かかってしまった場合に周りの人へうつしてしまうことがないように二次感染を防ぐことも重要になってきます。
そのためにもインフルエンザについての知識を高めておくことは、とても大事なことですから、いざという時のためにもインフルエンザの潜伏期間や症状などをぜひ知っておいてほしいと思います。
インフルエンザには、A型・B型・C型と3つのタイプがあるわけですが意外とその違いなどを明確に答えられる方は、非常に少ないのが現状ではないでしょうか?
そこでインフルエンザA型・B型・C型に潜伏期間の違いはあるのか?などを中心に詳しくお伝えしていきたいと思いますのでご参考下さい。
目次
インフルエンザの症状
インフルエンザは、大きく分けてA型・B型・C型の3つありそれぞれの症状が異なってくるのですが、B型は比較的に症状が軽く、一見するとい風邪の症状にも似ているところがあるため、安易に考えて風邪の市販薬で治そうとされる方も少なくありません。
ちなみにインフルエンザB型は、高熱がでることは少なく、比較的に吐き気や下痢などの消化器系の症状が中心の病気で、これらの症状は一般的に10日前後で落ち着き治癒していきます。
これに対してインフルエンザA型は通常の風邪と違い、突然高熱が発生したり、関節痛や筋肉痛、頭痛などが強く現れたりするのが特徴になっていて、38℃以上の発熱が急激に発症し、場合によっては40℃近くなることもあるのです。
さらに高熱により全身倦怠感や食欲不振、寒気、震えなども同時に現れることがありその後、やや遅れてから鼻水やのどの痛み、咳などの呼吸器症状が出てきます。
インフルエンザC型については、お子さんが感染することがほとんどで、大人が感染することは少なく、B型やC型と比べて症状も軽く、鼻水や鼻づまりなど風邪の症状とほとんど変わらないのが特徴なのです。
インフルエンザの潜伏期間
まずインフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染した人のくしゃみや咳などによる飛沫物を吸い込んだり、ドアノブやつり革などについたものをさわった手で自分の目や口、鼻などの粘膜に触れてしまうことによって体内に入り感染します。
インフルエンザは、A型・B型・C型とも感染から発症するまでの潜伏期間は1~3日ほどで、状況によってはもう少し長く潜伏することもまれにあったりします。
ちなみに風邪については、潜伏期間が5日~6日ほどなので比較すると感染してから発症するまでインフルエンザは早いということが特徴になっています。
体内に侵入したインフルエンザウイルスは、あっという間に膨大な数に増えてしまい、このウイルスの増えるスピードの速さがインフルエンザの流行の原因であるとされていて、インフルエンザの治療薬は早めに使用する必要があるという理由もここにあります。
具体的には、体内に進入した1つのインフルエンザウイルスが8時間後に100個程度、16時間後には1万個に、さらに24時間後にはなんと100万個にまで増えてしまうと言われており、100万個以上になると症状があらわれ、急な発熱などのインフルエンザの症状を発症するとされています。
インフルエンザは潜伏期間中も周りの人にうつる?
インフルエンザに感染しますと、これといった自覚症状がないまま、インフルエンザウイルスは増殖してしまいます。
つまり、発症する前の潜伏期間に体内には膨大な量のウイルスがいるということであり、くしゃみや咳などをすることでウイルスを周りの人に飛沫感染させてしまい、うつる可能性が十分にあるということが言えます。
そしてインフルエンザの症状が出ていない間は、マスクをするなどの対策をしない場合が多く、それがインフルエンザの感染を広げてしまう原因の1つにもなっているというわけなのです。
インフルエンザが重症化するとどうなる?
A型インフルエンザは、40℃以上の高熱が続く場合がありますから注意が必要になってきます。
インフルエンザによる高熱が直接の原因となって、脳に後遺症が残ることはありませんが、インフルエンザをきっかけに急性胃腸炎、心筋炎や副鼻腔炎などの合併症を引き起こす危険性がありますから覚えておいて下さい。
特に抵抗力の低い赤ちゃんや子供、高齢者は、熱性痙攣や中耳炎、肺炎、気管支炎などを併発してしまう恐れがあるので気をつける必要があります。
また、インフルエンザが悪化することで起こるインフルエンザ脳症が合併症の中で、最も注意しておきたい病気といえ、高熱が出た後の数時間から数日の間に痙攣や、意識障害、異常行動などの神経症状があらわれる場合があります。
さらに症状が悪化した場合には、後遺症が残ってしまうことや死亡するケースもある危険性の高い病気なので、重症化する前に早急に医療機関を受診するようにしなければなりません。
インフルエンザ脳症を発症する可能性が高いのは、1~5歳までの乳幼児に多く見られるので、高熱が続く場合には意識障害や異常行動がないかしっかり見守っておく必要があります。
潜伏期間中にインフルエンザの薬はもらえる?
インフルエンザにかかっているかどうかを調べるためには病院を受診して迅速判断キットを使用する必要があります。
このキットは現在よく使われているものであり、15分ほどで結果が分かるので大変便利なのですが、身体の中にいるウイルスの量でインフルエンザにかかっているかどうかを判定するためにウイルスの量があまり増えていない潜伏期間や感染初期では見逃してしまうことがあります。
インフルエンザは潜伏期間を経て発熱や頭痛などの症状が発症して少なくとも12時間ほどが経過してからでないと正確な診断が下せません。
そのため潜伏期間中は、インフルエンザであると診断が出来ずに抗インフルエンザ薬である治療薬はもらえないか、もしくはもらえたとしても予防投与という形になってしまう場合がほとんどになっています。
潜伏期間中にできる対策
では、症状が出ていなくても感染しているかもしれない潜伏期間中に出来る対策をご紹介していきます。
手洗い・うがい
これは予防としても重要で潜伏期間に限らず、インフルエンザの流行シーズンは常に心がけるようにしましょう。
簡単ではありますが非常に効果的で、インフルエンザだけではなく他の菌やウイルスによる感染症も防ぐことができます。
適度な温度・湿度を保つ
インフルエンザウイルスは低温や低湿度を好むので、室内では加湿器などを使って適度な湿度に保つことが鼻やのどの粘膜の乾燥を防ぐことも出来て有効な予防法になります。
また室温は高すぎず、低すぎず、部屋で過ごすのが快適に思えるような温度に保つようにしてください。
家族の方がインフルエンザにかかっている場合は、こまめな換気も行ってウイルスを部屋の中に閉じ込めないようにも心がけるようにして下さい。
水分をこまめにとる
体内に水分が不足するとウイルスなどの異物を除去するための線毛の動きが悪くなってしまい、粘膜にウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
そのためこまめに水分をとることによって線毛の動きを滑らかにしてウイルスを体内に入りにくくすることができます。
栄養をとって睡眠をしっかりとる
当然のことですが、身体が弱っていればウイルスが身体の中で増えやすくなりインフルエンザにかかりやすくなります。
体力をつけて抵抗力をつけるためにも栄養バランスの良い食事をとり、しっかり睡眠をとるようにして下さい。
できるだけ外出をさける
できるだけ外出をさけることによって身体が疲れないようにすることもできますし、潜伏期間中で感染している場合は周りに不必要にウイルスをまきちらすこともなくなります
どうしても外出を避けられない場合は、マスクを必ず着用して周りへ配慮することを忘れないようにして下さい。
インフルエンザに限らず、風邪などが流行する冬場では必要な対策ばかりです。
今のうちから加湿器を用意するなどして準備を心がけるようにしてください。
インフルエンザ予防接種の時期
2014年までのインフルエンザのワクチンは3価でしたが、現在は4価になりウィルス予防の種類が多くなりました。
インフルエンザのワクチンは毎年作りかえられていて、例年世界各国で流行したウィルスの株から日本の流行性を予測して製造されています。
A型・B型どちらのインフルエンザが流行しても予防効果を発揮できるように対応してはいるのですが、インフルエンザワクチンの効果は、抗体ができるまでに1週間から3週間程度の時間かかり接種してすぐに発揮するものではありません。
ですから、インフルエンザ流行時期の1~2ヵ月前に接種しておくのが理想的なんです!
例年流行が集中する時期は、1~2月にかけてですから11~12月を目安にインフルエンザの予防接種を受けておくことがベストになるのですが、生後半年~12歳までの乳幼児・小児の場合、予防接種が2回必要になるので1回目の接種を10~11月までに済ませておくようにしてください。
まとめ
インフルエンザウイルス、特にA型は強い感染力をもつウイルスなので注意する必要があります。
また、B型もA型に比べると感染力は弱いですがやはり人にうつす感染症ですからこちらも気をつける必要はあるのです。
インフルエンザは潜伏期間にもまわりの人からうつされてまうことがあるわけですが、症状があらわれるまでは、自分がインフルエンザに感染していることには、気づかないことが多いですから、少なくとも外出して帰ってきたら手洗い・うがいを習慣づけておくことをお勧めいたします。