本格的なインフルエンザ流行が近づきますとインフルエンザの予防注射の予約も始まり、受診を検討していても、副作用が怖くて悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
今回はインフルエンザの予防注射の副作用について、まとめていますから、悩んでいる方もご参考にしてみて下さい!
インフルエンザとは?
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することによって、鼻水が止まらない原因になったり、痰が絡む・咳などの症状などを引き起こしてしまいます。
インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみをすることによってウイルスが空気中に蔓延し、それを吸い込むことで感染してしまうのです。
典型的なインフルエンザの症状として、頭痛・高熱・鼻水・ノドの痛み・咳などで、更には筋肉痛や関節の痛みも伴ってきます。
インフルエンザにかかるほとんどの人は、頭痛がして吐き気をもよおし腹痛をうったえるようになります。
普通の風邪と比べますと、関節痛や筋肉痛が強いのが特徴で、気管支炎や肺炎などの合併症を発症しやすく、さらには重症化することが多いのです。
通常気温が下がる初冬から春先にかけて流行が見られますが、春や夏に発症するケースもあります。
インフルエンザウイルスはとても感染力が高いため、流行し始めますとわずかな期間で子供から高齢者まで男女とわずに多くの人に感染してしまうのです。
冬にインフルエンザは流行することが最も多いため、教室や事務所など狭い空間ですと換気が悪い状態にありますから一人が発症すると学校や職場の多くの人が感染してしまいます。
潜伏期間は症状が現れないため、年末年始の帰省やショッピングモールなど人が集まる場所で保菌者と接触することで感染することもあります。
普通のカゼですと死亡するようなことは、ほとんどありませんがインフルエンザの場合には、65歳以上の高齢者や慢性疾患患者などの方が感染しますと死亡するケースがあったりするのです。
なぜインフルエンザの予防注射を受けるの?
インフルエンザの予防注射は世界的に有効性が認められていて、特に高齢者の発症防止・重症化を防ぐことに効果があることが確認されています。
厚生労働省が行った調査では65歳以上の高齢者のうち、予防接種を受けないでインフルエンザにかかった人のうち約半数の人が予防接種を受けていればインフルエンザにかからずにすみ、また予防接種を受けないでインフルエンザ及びインフルエンザの合併症で死亡した人の82%は予防注射を受けていれば死亡せずに済んだことが報告されています。
インフルエンザウイルスは毎年変化しながら流行しますから、そのため、流行が予測されるウイルスに合わせて毎年予防注射を受けることが必要になってきます。
一般的に成人以上は1シーズンにつき1回の予防接種、小児は2回の接種が推奨されていて、インフルエンザに対して抵抗力がつくには予防注射から約2週間ほどかかります。
なお、インフルエンザの予防注射は小児肺炎球菌やはしかなどとは違い、予防注射を受ける義務はなく、接種を希望する人にのみ行われるのですが、インフルエンザを防御するためにも、流行する前に毎年予防注射を受けることは重要だといえます。
予防接種の副作用って?インフルエンザの予防注射に副作用はある?
インフルエンザの予防注射は重症化することがあるインフルエンザをあらかじめ予防する有効な手段なのですが、この予防注射を受けた後に熱が出たり、腫れたり、しこりができたり、乳幼児の機嫌が悪くなったりという状態が確認されることがあります。
このような体調に影響を及ぼす副作用(副反応)は、そのほとんどが2~3日でおさまるのがほとんどではあります。
ワクチン接種とはもともとウイルス等の微生物そのものやその一部を体に直接注入させて「体に異物を認識させて免疫反応を呼び起こし、注入された異物を排除するための抗体を作らせる」という一連の反応なので、そのため、ある程度の副作用は仕方がない考えられています。
インフルエンザの予防注射の副反応としては以下のものが報告されています。
- 接種箇所の赤み、はれ、痛み
- 発熱
- 頭痛
- 痙攣
非常にまれなケースですが
- じんましん
- 呼吸障害
- 呼吸障害
- 呼吸困難
などがあらわれることもあります。
また、下痢や咳などのインフルエンザの諸症状が発症することもあります。
インフルエンザ予防注射の注意点
予防注射を行った際に副作用で重篤な状態を引き起こさないためにもいくつかの注意があります。
急な副作用の多くは接種後30分で多く確認されています。
そのため接種後30分は接種場所で様子を見ることが推奨されています。
やむを得ずすぐに帰宅する必要があるときには、すぐに先生と連絡がとれるようにしておいて下さい。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。
不活化ワクチンでは接種後24時間以内に副作用が確認されるケースが多くなっています。
接種後24時間は発熱やけいれんなどの副作用に注意が必要です。
ワクチンを接種した当日は体に異物が入っている状態です。
激しい運動をすることによってウイルスが活性化され、副作用が発症しやすくなってしまいます。
極力激しい運動は控えるようにして下さい。
入浴は可能ですが、注射した部位をこすらないようにしましょう。
ゴシゴシとこすることで、腫れや痛みが発生してしまいます。
このようにインフルエンザの予防注射には、副作用がでる場合がありますから、正しい知識をもつことが大切なのです。
まとめ
インフルエンザ予防注射の副作用についてまとめましたが、副作用があると聞くと、どうしてもしり込みしてしまう方が多いとは思いますが、副作用以上の有効な効果があるのは確実です。
特にインフルエンザウイルスによる死亡率の高い6歳以下の乳幼児、65歳以上の高齢者は本当にインフルエンザにかかった時のリスクに比べて、副作用のリスクは軽度だといえます。
「インフルエンザにかからないかもしれないし、かかっても重症化しないかもしれないし・・・」と考えた場合、予防接種の重篤な副作用が発症するケースのほうがより確率としては低いのです。
インフルエンザ予防注射の正しい知識を持って、インフルエンザの流行に備えるようにして下さい。