食事の前に一口いただく食前酒や、食後片付けも終わりひと段落ついたひと時にゆっくりとお酒をたしなみたい、そんな時に香り豊かな梅酒があったらいいと思いませんか?
色々な変わり種の梅酒がたくさんリカーショップや、ディスカウントショップなどのお店に並んでいますが、今年は自分で梅酒を手作りしてみてはどうでしょう!
作り方がわからないという方も、何度か梅酒を作ったことがあるけど思うような味に仕上がらなかった、という方にもオススメの『おいしい梅酒の作り方』を紹介したいと思います。
梅酒はいつごろから作り始めたの?
梅の実や木は、日本には弥生時代に現在の中国からやってきたとされていますが、確定的なものではないようで、日本古来のものという説もあるようです。
じつは生の梅の実には、人間の体に悪影響を及ぼす物質『青酸配糖体』というものが含まれており、それを体に大量に取り込んでしまうと、体調不良になってしまうのです。
昔の人は生の梅の性質を理解していたので、梅を生では食べず、梅干しや薬用のものなどに加工して、食べるような食文化が現在も人々の生活に身近で親しまれる食べ物になっているのです。
梅酒を作り始めたのは、江戸時代になってからで、当時は砂糖が貴重な時代だったので梅酒に欠かせない氷砂糖のようなものを手に入れるのは結構大変だったようです。
江戸時代の前期に出版された日本の食べ物がまとめられた書物である『本朝食鑑』(ほんちょうしょっかん)には、梅酒について「痰を消し渇を止め、食を進め、毒を解し、咽痛を止める」という風に記されていて梅酒は日本人にとっての薬酒として古くから愛されていたのです。
基本的な梅酒の作り方
果実酒用保存瓶(4リットル用)、青梅1キロ、ホワイトリカー1パック(1800ml)、氷砂糖1キロ
②下準備
1.大きな鍋にお湯をたっぷりと沸かして下さい!
しっかりと大きな泡がたくさん出るまでしっかりとお湯を沸騰させてくださいね。
2.沸騰したお湯を果実酒用保存瓶の中に半分以上注ぎ、しっかりと蓋をしてバスタオルなどでくるみ、瓶の中全体にお湯がいきわたるように瓶を振り、中のお湯を捨ててください。※やけどに注意しましょう
3.しっかりと逆さまにしてしばらく放置すると、粗熱も取れて中も乾燥するので、それまでは中にゴミやホコリなどが入らないように注意が必要になります。
4.放置している間に、梅を流水できれいに汚れを洗い流し、汚れと水分をタオルでやさしく拭きとったら、竹串で梅のへそ(へた)をそっと取り美人な梅にしてあげると一層おいしくなります。※慣れないと梅に傷をつけてしまう恐れがあるので気を付けてくださいね
③梅を瓶に敷き詰める
1.梅を果実酒用保存瓶の底に軽く敷き詰めたら、氷砂糖を軽く入れ、梅をまた入れてという感じで、順番にきれいに入れていき、見た目はミルフィーユのような感じで仕上げて下さい。※バランスよく入れたほうがおいしく浸かります
2.準備した青梅と氷砂糖を入れ終わったら、ホワイトリカーをドボドボ入れるのではなく、そっと優しく瓶のふちのほうから入れていきます。
このときに勢い良く入れると水圧で氷砂糖と梅をぶつけることになり梅を痛める場合がありますから気を付けて下さい!
④保管の仕方
丁寧に入れたら、しっかりと蓋をしてこぼれないようにし、いつ漬けたのかわかるように日付を瓶に書き入れて、直射日光の当たらない場所に保管しておきましょう。
あとは、忘れないようにしながら、4か月から半年、ひたすら『おいしくなるように』願いを梅酒に届けてあげると、きっとおいしい梅酒ができあがります。
ブランデーでの梅酒の作り方
果実酒用保存瓶(3リットル用)、ブランデー1本(700mlぐらいのもの)青梅500グラム、氷砂糖500グラム
②ブランデーの選び方
ブランデーといえば高価なもので、ある世代の人はかなり鮮烈に覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、石原裕次郎さんがブランデー片手にブラインドから夕陽を眺めるというイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、梅酒づくりにはそんな高価なブランデーは必要がなく、お手軽な価格のブランデーで十分なのです。
なぜかといえば、ブランデーで梅酒を作ると、梅本来の香りとうまみがホワイトリカーで作るよりもたくさん出るのですね。
ブランデーの味よりも梅の香りが勝るので、いくら高級なブランデーで梅酒を作ったとしても、お手軽価格のブランデーで作ったものとあまり味や風味が変わらないのです。
国産メーカーのサントリーブランデーVO、キリンシーグラムVSOなどがお勧めですが、どうしてもこのブランデーで作ってみたいという銘柄があればそちらでも構いません。
③下準備&梅の漬け方
下準備は、基本的な梅酒の作り方とおなじなのですが、より丁寧に果実酒用保存瓶の汚れや、梅の汚れを落としてきれいにしてあげないと、雑味が増えたりカビの発生につながったりしますので注意して下さい。
ブランデーで作った梅酒は、ホワイトリカーで作った梅酒よりも、早く飲むことができるので梅酒が大好きで、いつもそばに置いておきたいという方にはブランデーで梅酒を作るのがお勧めだと思います。
ウイスキーでの梅酒を作り方
果実酒用保存瓶(4リットル用)、ウイスキー2リットル、青梅1キロ、氷砂糖1キロ
②ウイスキーの選び方
ブランデーでは、お手軽価格のものが良いと言ってきましたが、ウイスキーはできれば少しだけ高価なものを使うほうが、よりおいしい梅酒が出来上がること間違いなしなのです!
ウイスキーで梅酒を作ると、梅の味や香りが出るのにブランデーよりも時間がかかってしまいますので、じっくりと味が染み出るのを待つことができる方が作るには最適だとおもいます。
梅酒にするのにおすすめのウイスキーは、国産のものが合うようで、サントリーやニッカのウイスキーが個人的にはお勧めになります。
外国産のウイスキーだと香りが強すぎるものが多く梅の香りが引き立たないのです。
③下準備&梅の漬け方
こちらも基本的な梅酒の作り方とほぼ同じですが、梅を水できれいに洗った後、一晩きれいな水で梅をさらしておき、余分な雑味をすっきりと抜いておくことが必要となります。
熱湯での消毒は梅の水気を取る前のタイミングで行ったほうが、雑菌も果実酒用瓶に入りにくくなるので、順番を少し考えて梅酒づくりをしたほうがより美味しいものができます。
ウイスキーで作った梅酒は、作ってから一年後ぐらいが飲みごろなので、それまではゆっくりと冷暗保存できるところで熟成させておいて、時折カビが生えたりしていないかチェックして衛生面管理も怠らないようにしてください。
まとめ
最初のうちは、梅のへそを取るのが手間取ってうっかり梅に竹串をさしてしまうなど苦戦してしまうことがありますが、コツをつかめば慣れてきます。
梅酒を作る時も楽しいですが、出来上がって友達や家族に披露するときは、もっと楽しい気分になると思いますから、愛情込めて作ってくださいね。