普段、私たちが悩まされる耳鳴りの原因の大半はストレスや疲れ、体のコリによって起こると言われています。
耳鳴りがすると不安になってしまいますが、自身の生活を見直した時、「そういえば疲れているなぁ」と感じるのであれば、ツボ・ストレッチ療法で改善することもできます。
しかし、耳鳴りの原因が突発性難聴のような病気の場合もありますから、耳鳴りだけではなくめまいの原因にもなっているような病気の可能性があれば、病院で治療を受ける必要があります。
ここでは、自分で出来る、ツボ・ストレッチ療法での耳鳴りの治し方と、病院での耳鳴りの治療法について、ご紹介していきます。
耳鳴りを治すツボ療法
まずは、忙しい人でも場所を選ばずできて、血行不良やストレスが原因である耳鳴りに効果的な「耳鳴りに効くツボ」を刺激することによって治す方法をご紹介します。
耳鳴りに効くツボと聞くと、なんだか難しそうですが、耳鳴りに効くとされるツボは意外とたくさんあって、簡単に見つけることが可能で短時間でできるものが多いので、ぜひ試してみてくださいね。
耳鳴りを治すのにかなりの効果的がある「中渚」は手の甲にあるツボで、手の甲側の小指と薬指の間の指の付け根の関節のくぼみの部分です。
耳から離れた位置にあるツボですが、体内の水分の流れを良くする効果があり、耳鳴りに効くツボとして知られています。
ツボを刺激する反対側の手の中指で、息を吐きながら軽く痛みを感じるくらい2秒ほど押しのを10回ほど繰り返してみて下さい。
血行を促進する役割をもつ耳の手前側のツボ、「聴宮」と「耳門」は耳の穴の入り口にある出っ張りの耳珠(じしゅ)というところにあります。
耳珠のちょうど前側、口を開けたときにへこむ部分が「聴宮」、そして聴宮の指一本上に位置するのが「耳門」です。
血行を良くする役割があることから、ダイエットにも効果的と知られるツボなのですが、人差し指の腹で3秒ずつ押したり離したりする形で、優しく刺激して下さい。
また、「聴宮」と「耳門」を同時に押さえるようにして、円を描くマッサージをすることでも効果が得られます。
耳のちょうど真上、髪の生え際あたりにある「角孫」は肩こりを伴う耳鳴りや頭痛、眼精疲労に効果があるツボです。
両手でおでこを覆い、頭を抱えるようにして親指でグリグリと3~5分、ツボを刺激します。
最初は痛みを伴いますが、効果的なツボ療法です。
「翳風」は、耳たぶの裏にあり耳のつけねのくぼんだ部分にあり、押すとズーンと沈んだような痛みを感じますので、比較的見つけやすいツボです。
翳風には耳鳴りを改善するほか、歯の痛みを和らげたり、顔のむくみを改善したり、首の筋肉痛を和らげるなどの効果も期待される血行促進、水分代謝促進を促すツボですが血管やリンパ腺が集中している部分ですので、強く押しすぎないように注意しなければなりません。
中指の腹を使って、気持ちよく感じるくらいの強さで3秒間ずつゆっくり押してゆっくり戻すという押し方で、左右それぞれ5回繰り返してみて下さい。
耳のうしろ側にある膨らんだ部分から大体、指一本分で翳風のすぐ下にある「完骨」も耳鳴りに効果的なツボだと言われています。
指を完骨のツボに入れるような形で優しくマッサージした後、そのまま首筋に向かってゆっくり滑らせるようにするのがおすすめです。
「百会」は頭のてっぺんにあるツボなのですが、つむじではありませんので押すときに間違えないよう、気を付けて下さい。
左右の耳の穴を直線で結んだラインと、眉間の中心から頭の頂上に向けたラインが交わるところが百会になります。
百会は自律神経と直結していて、その働きを整えてくれるため、耳鳴りの主な原因である「自律神経の乱れ」を整えてくれることから、耳鳴りを治すのに効果があるのです。
また、自律神経を整えることで、耳鳴りの原因のひとつとなるストレスや不眠などの緩和も期待されます。
息を吐きながら体の中心に向かってまっすぐ押すように、気持ちがいいと感じるくらいの強さで15~20回ほど刺激します。
耳鳴りなのに足の近くのツボ?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、足の内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみの部分のツボの「太谿」も耳鳴り解消が期待できます。
太谿は疲れからくる自律神経の乱れによって引き起こされる耳鳴りや、体の冷えにも効果のあるツボです。
押す時は痛みを感じやすいツボですので、指の腹の部分でジーンとするような痛みが感じられるまでゆっくり押し、離す時もゆっくりと離すようにして下さい
。
耳鳴りを治すストレッチ療法
耳鳴りの原因の多くを占めているのは「ストレス」と言われています。
ストレスによって耳の周りの筋肉が緊張したり、自律神経の乱れによって血行不良などの体調の不調を起こし、そのひとつとして現れる耳鳴り。
ツボ療法と同じく、セルフで出来る、簡単なストレッチをすることで筋肉を和らげ緊張を解いてあげることで耳鳴りを治す、簡単なストレッチ療法を2つご紹介します。
【顎を引くストレッチ療法】
①背もたれのある椅子に寄りかかって座ります。
②どちらかの手で、人差し指と親指の間のくぼみに顎を当てます。
③②の手の肘を顎の高さまで上げたら、下を向いたり、上を向いたりしないように気を付けながら真後ろに向かってまっすぐ顎を押していきます。
④そのまま10秒程キープし、元の姿勢にゆっくりと戻して10回ほど繰り返すようにして下さい。
こちらの動画で顎を引くストレッチ療法について確認してみて下さい。
【首を回すストレッチ】
①肩の力を抜いて、首を左に倒し、30秒かけて反時計回りにゆっくりまわしていきます。
②次に首を右に倒し、逆回りに30秒かけて、ゆっくりとまわします。
③首を元に戻し、今度は天井を見るように頭を上に倒し、30秒キープします。
④そこからまた首を元に戻し、今度は下を向いて30秒キープします。
こちらの動画で首を回すストレッチの方法について確認してみて下さい。
どちらのストレッチも、首周りを温めて行うとより効果が期待されますので、お風呂上りのストレッチがおすすめです。
病院での治療とは?
耳鳴りの一番の治療法はストレスを溜めすぎないこと!とも言われていますが、生活に支障を感じる時や、激しいめまいを伴う時、急に聞こえづらさを感じるようになった時は、耳鳴りを伴う何らかの病気であることも考えられるのです。
その場合、早めの段階で病院に行って治療を受ける必要があるのですが、病院ではどのような治療が行われるのかをご紹介します。
健康診断でも受けるものと同じ、耳に装置をつけて、まずは聴力検査が行われます。聴力検査をすることで、耳の聞こえを調べます。
②問診
次に耳や中耳に異常がないかを確認をします。
③原因が分かったら治療開始!
聴力検査、問診の結果から治療方針を決めていきます。
耳鳴りの原因によってどの薬を処方されるかは異なりますが、主に
- 血流改善薬、血管拡張剤
- ビタミン、ミネラル剤
- 代謝改善薬
- 筋弛緩剤(頭痛や肩こりを伴う耳鳴りの場合)
- 漢方薬
- 抗うつ剤、抗不安薬(ストレス性の場合)
の中から症状に合ったものを処方します。
慢性化した耳鳴りとして認められていなくても本人にとっては辛く、生活への影響度、困難度が高い耳鳴りがある場合などに耳鳴りを気にしなくても良い生活をしていくための訓練をするのがTPT療法です。
直接耳鳴りを治すというものではなく、耳鳴りによる苦痛を和らげていく治療ですが、治療には時間を要するので、根気強く継続していく必要があります。
主に心理カウンセラーが担当してくれることの多い心理療法は、精神状態を落ち着かせ、自律神経を整えていく治療方法です。
耳鳴りの根本原因を探り出して、心の負担を軽減させていきます。
そうしてストレスを取り除いていくことで、耳鳴りを治していきます。
まとめ
耳鳴りの治し方を
- 耳鳴りを治すツボ療法
- ストレッチ療法
- 病院での治療法
の順にご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
ツボ・ストレッチ療法はどれも時間を取らず、セルフで簡単にできるものばかりですので、ぜひ試してみてください。
病院での治療法も、耳鳴りには痛みを伴う治療はほとんどと言っていいほど存在しませんので、辛い時にはきちんと病院で診てもらうことをおすすめ致します。