という言葉はたまに聞く言葉ではありますが、「語るほどの価値がない」「つまらない」「どうしようもない」などといった意味だと思っている方が多いのではないでしょうか?
実はその使い方というのは間違いなのです!
それでは本当の意味は?正しい使い方は?
語るに落ちるの意味を間違って解釈してしまっていて誤用される方が多い言葉ですから、正しい意味を知って頂くために例文を含めてご紹介していきたいと思います
言葉の意味を間違った形で覚えてしまいますと、ときには意味が違う使い方になってしまいますから、語るに落ちるの正しい使い方についてもご参考にしてみて下さい。
「語るに落ちる」は、もともとはことわざだった
語るに落ちるとは、もともとは「問うに落ちず、語るに落ちる」ということわざなのです。
それが時代とともに簡略化され、語るに落ちると言われるようになりました。
落ちたの一言にまで略されていることもありますので、誤った解釈をしてしまう人が多いのも無理がないと思ってしまいますが、せっかく間違った使い方をしていると分かったら、本当の意味も知っておきたいですよね!
このことわざの「落ちる」には「白状する」という意味があって、よく誤用される「語るほどの価値がない」や、「つまらない人だ」といったものは、この「落ちる」の部分を「つまらない」「言う価値がない」「話にならない」などの意味と誤った解釈をしていることが「語るに落ちる」の意味の間違った解釈につながっていたりするわけなのです。
「語るに落ちる」とは「問うに落ちず、語るに落ちる」といったことわざで、「落ちる」というのが「白状する」「正直に話す」という意味であることをまずは理解しておいて下さい
「語るに落ちる」の意味
それでは「語るに落ちる」の本当の意味とは?
先に説明した「落ちる」の意味が、ここでは「白状する」という意味であることを考えると、「語ると白状する」という意味になりますよね。
ここに簡略化されている部分である「問うに落ちず」も当てはめてみると、「聞いたことには白状せず、語ると白状する」という意味になることが分かりますね。
もっと分かりやすく説明すると、「語るに落ちる」の意味は「(秘密などを)こちらから聞いても用心して本心を言わないけれど、自分から話し出したときはついうっかり口を滑らせて真実や本心を話してしまう」というものです。
話を聞いてもらっていたら気持ちがよくなってくるものなので、ついうっかり口を滑らせてしまう。ということを経験したことがある人も多いと思います。
実際に「語るに落ちる」ということをすれば、自分の発言で自分にとっては好ましくない状況に陥ってしまうことが多いのですが、ここで気を付けたいのがそのような状態に陥ったことではなく、語ったこと自体を意味するのが「語るに落ちる」という言葉だということです。
語るに落ちるを使った例文
ここからは誤用されやすい「語るに落ちる」の使い方を例文とともに説明していきたいと思います
【犯人の彼は、語るに落ちた】
誤った解釈:犯人である彼は語るほどの価値のある人間ではない。
正しい解釈:犯人である彼は自ら(事実を)白状し始めた。
「落ちた」の意味を誤って解釈してしまっていると、正しい意味とはかけ離れた内容になってしまうことが分かりますね。
よく刑事ドラマなどで、刑事さんが犯人に対して「落ちたな」というシーンがありますよね。
これは、「犯人はこんなことをして語る価値もない人間だ」という意味や「(犯人がやったことに対して)酷くてどうしようもない」と、その行動に対して「落ちた」と言っているのではなく、問い詰めても話さなかったことを「自ら話しをしているうちについ犯行の真実を自白してしまう」といった意味合いで使われていることが多いです。
「問うに落ちず、語るに落ちる」と言ってくれたら分かりやすい気もしますが・・・
簡略化されていった言葉でも「落ちた」の部分が「白状する」という意味であること、もともとの意味とは変わっていないことを頭に入れておいて下さい。
まとめ
語るに落ちるの意味を例文とともにご紹介しましたが、いかがでしたか?
もともとは「問うに落ちず語るに落ちる」ということわざであり、誤用されやすいのは、ここでの「落ちる」の部分の間違った解釈が一番の原因になっているのではないでしょうか?
世の中には聞き上手、そして話してもらうことが得意な誘導上手な人がいますよね。
そんな人に巡り合ったら・・・
知らず知らず自分が本心を喋りたくなってしまうような空気を作っていて、自分は絶対話さないぞと決めていた秘密があるのに「語るに落ちてしまう」なんてことにならないようにも、気を付けたいものですね。
ここでの説明を参考に、「語るに落ちる」の正しい使い方をマスターしてくださいね。