カレンダーに書いてある文字や、テレビやラジオなどの天気予報で「立秋」という言葉を目にしたり耳にしたことのある方は多いと思います。
しかし、確かに時々見たり聞いたりすることはあるものの、立秋の意味や由来について知っているという方は意外と少ないのではないでしょうか。
「秋」という字があるので、なんとなく秋に関係することだと予測はできても、暑さがピークであることの多い8月上旬に目や耳にするため、「真夏なのに秋?」と言葉のイメージが混乱しやすいと思います。
そこで、そもそも立秋とは何なのか、どういった意味や由来があるのか、そして2018年の立秋はいつなのかといったことをご紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
2018年の立秋はいつ?
立秋は「りっしゅう」と読み、「秋の気配が感じられる頃」といった意味があるので、立秋を迎える頃には暦の上では季節は秋ということになります。
立秋はその年によって日付に多少の差が生じる場合が多いですが、大体8月7日か8月8日のどちらかとなっています。
2018年の立秋は「8月7日(火)」ですが、立秋はその日1日のみを指すだけでなく、期間を表すこともあるため、その場合は立秋(8月7日頃)~処暑(8月23日頃)の前日までの、およそ2週間を立秋と呼ぶことになります。
暦の上では夏から秋へと切り替わる日や期間を指す立秋の時期は、夏真っ盛りといった暑さである場合が多いのでなかなか秋を実感しにくいものではありますが、立秋の時期を覚えておくことで、暑中見舞いと残暑見舞いを間違えずに出すことができるなどの大人としてのマナーにも役立ちますので、ぜひ覚えておくことをお勧めします。
立秋の意味や由来について
「秋の気配を感じられる頃」という意味を持つ立秋は、その意味の通り秋の始まりとされており、立秋~立冬(11月7日頃)の前日までが「秋」であるとされています。
江戸時代に、太玄斎(たいげんさい)という著者が記した『暦便覧(こよみびんらん)』という暦の解説書にも、「初めて秋の気 立つがゆへなれば也」(=初めて秋の気配が感じられる季節)という意味が立秋にあると記されています。
しかし秋の始まりとされている立秋は、なぜ8月上旬の暑い最中に位置付けられているのでしょうか?
それは、日本の暦が中国の影響を大きく受けていることにあるのですが、そもそも立秋だけでなく、立春や立夏、立冬など日本の季節とも大きく関わっている暦が作られたのは、古代中国の黄河流域にある寒い気候の土地であり、その土地の季節と日本の季節に微妙な差があったことで、日本での立秋は8月ということになったのです。
1年を24等分にして季節を分けた考え方である「二十四節気(にじゅうしせっき)」では、立秋は「立春から数えて13番目」のポジションになっています。
そしてその立春~立夏を「春」、立夏~立秋を「夏」、立秋~立冬を「冬」と暦の上では定められていますが、この立春・立夏・立秋・立冬を合わせて「四立(しりゅう)」と呼んでいます。
さらに夏至・冬至、春分・秋分を合わせた「二至二分(にしにぶん)」と「四立」を合わせたものを「八節(はっせつ)」と呼んでいて、季節を示すために日本でも重要な暦とされています。
実際に私たちの日常生活の中でも、八節は身近に感じられる存在で、春分や秋分は祝日となっていますし、夏至や冬至では季節の行事が催されることが多いため、重要な暦であることをお分かり頂けるのではないでしょうか。
また、夏の時期のご挨拶として贈る暑中見舞いも、立秋を過ぎると「残暑見舞い」と変化するので、立秋はいつなのかをしっかりと頭に入れておくと、「立秋を過ぎているのに暑中見舞いと記載してしまった!」などといったミスをせずに済むので、覚えておくようにして下さい。
ちなみに、暑中見舞いの時期は、「小暑(しょうしょ)(7月7日頃)~立秋(8月7日頃)の前日まで」で、残暑見舞いは「立秋(8月7日頃)~白露(はくろ)(9月8日)の前日まで」とされています。
残暑見舞いは「白露の9月8日の前日まで」となってはいますが、9月に入ると区切りが悪くなるということから、8月中に届くようにあらかじめ準備を整えておくことがマナーなので、この点も注意するようにして下さい。
まとめ
立秋についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
普段何気なく見聞きしていても、その意味などを把握していなかったという方も多いと思われる立秋ですが、その意味や由来などを知ると、暦の上でとても大切な役割を持っていることなどをお分かり頂けたかと思います。
そして、これからは暑中見舞いと残暑見舞いを出す時期を見極めて、間違いなく出すことができると思われますので、2018年の立秋にはぜひ、大切な方やお世話になっている方へのご挨拶としてお手紙などをしたためてみることをお勧めします。